1. TOP
  2. あかりと光の情報局
  3. ひかりペディア
  4. 【ひかりペディア】LED一体型照明器具の構造

ブログ -あかりと光の情報局-

【ひかりペディア】LED一体型照明器具の構造

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

LED一体型照明器具とは


店舗の天井を見上げて頂くと、よくこういう筒型の器具が付いていたりします。

店舗で使われている照明器具の例


最近は、照明というとLEDが使われている事がほとんどですが、

実はLEDの照明器具にもいろいろあり、LED電球を使うタイプの照明器具(いわゆる普通の器具)と、LED一体型照明器具というのがあります。


LED一体型照明器具とは、LEDと照明器具が一体になっている照明器具の事を言います。
(そのまんまですね。笑)



しかし、パッと外観だけを見ただけですと、普通の照明器具かどうか、そして普通の物と一体型の物で何がどう違うのかは、分かりづらいですね。
(ちなみに写真の物は電球交換型のいわゆる普通の器具です。)



なので、これからは中身を見てみましょう。



元々は、照明というと、普通は蛍光灯やハロゲン電球などの光源と、それを取り付ける器具が別々になっているのが普通でした。



具体的にはこのような感じです。

旧来の照明は、器具の中に電球が取り付けてあります。


旧来の照明器具の中身



照明器具を略して”器具”とよく呼ばれますが、なかなかいい得て妙、という感じがします。


というのも、高熱で点灯する電球を安全に取り付けるための台座、まさに取り付け”器具”として働くのが照明器具だからです。






一方でLED一体型照明器具はどうでしょうか。



同様に中身を見てみましょう。



LED一体型照明器具の中身


LED一体型の照明器具は、電球の代わりにLEDのユニット(色々な部品が組み合わさったもの)が入っています。


電球の形もしていないですし、このユニットはネジなどでしっかりと固定されておりまして、
簡単に取り外せるようになっていない(器具と一体化している)事がほとんどです。


つまり、LED一体型照明器具とは、

電球を取り付けるための”台座”としてではなく、それ自体が光る機能を持った”装置”となっている照明器具、と言うことも出来ますね。




次に、このLEDのユニットがどのような部品で出来ているか見ていきましょう。

LED一体型照明器具の機器構成です。


LED一体型照明器具の機器構成



先程のLEDユニットの部品をバラバラにすると、このようになります。


LEDユニットは色々な部品が組み合わさっている



メーカーごと用途ごとに少しは差はありますが、


大体はこの4つの部品、レンズ(リフレクター)、ソケット、LED、ヒートシンク、でLEDのユニットは出来ています。


これがLED一体型照明器具の機器構成の概要です。


実際の写真ですとこのような感じになります。

実際のユニット

(この写真では、レンズではなくリフレクターが使われています。)

次からは、それぞれの部品の役割についてみていきましょう。


レンズ・リフレクター



レンズやリフレクターには、光の広がり方をコントロールする役割があります。

実物はこのような感じです。

レンズ



リフレクター


レンズもリフレクターも様々な種類があり、場合によってはオーダーメイドで設計したりする事もあります。

どの様な光を使いたいか、どのように照らしたいかを考えて、レンズやリフレクター、そしてLED(光源)などを設計する事を、光学設計と呼んだりします。


ソケット



ソケットにはLEDを確実に固定する役割があります。

実物はこのような感じです。

左が表側(光が出る側)、右が裏側(LEDとヒートシンクにくっつく側)です。


LED用ソケット(COB用ソケット)


ちょっとイメージしづらいですかね?

LEDが実際に付いている写真をご覧いただきましょう。


白い輪がソケット、中の黄色い部分がLED(グレーと白の部分もLEDの一部です)、銀色の部分はヒートシンクです。


ソケットを使わずに、LEDをヒートシンクに固定する方法もあるのですが、
組立時の品質管理がソケットを使用するよりも難しくなります。
(固定時の部品破損、はんだ付け時の熱による電気的破損など)

ですので、使う事をゼヒお勧めします!
(というのも、新光電気はソケットメーカーでもあるので。笑)

LED(COB)



LEDです。

LEDにも色々な形、種類がありますが、今回はCoBタイプのLEDで説明します。

ちなみにCoBはChip on Board、チップ オン ボードの略で、
LEDチップがボード(白い板)に乗っていることからそう呼ばれます。

CoBタイプのLED


黄色い部分がLED本体でここが光ります。
白(一部グレー)の部分は、台座の役割をしています。

白いと台座の部分の角に金色の物があると思いますが、

これは電極で、ここに線をつないで電気を通すとLEDが光ります。


前述の通り、LEDはCoB以外にも色々なタイプがあるのですが、それはまた別の記事でご紹介しようと思います。


ヒートシンク


ヒートシンクです。

ヒートシンクには、LEDから熱を吸い出して外に逃がす役割があります。

実際のヒートシンク


LEDは、白熱電球などと比べると圧倒的に熱を出さない光源なのですが、

精密な電子機器のようなものなので、実は熱に弱く、しっかりと放熱をしてあげる必要があります。


LEDからどのぐらい熱が出るかを考え、適切なサイズのヒートシンクを選定する、
放熱しやすいように照明器具の外形をデザインする事を”熱設計”と呼んだりします。


今回は説明のために、部品としてのヒートシンクをお見せしましたが、

設計によっては、照明器具自体をヒートシンクとして設計して、
部品としてのヒートシンクを使用しない場合もあります。







さて、レンズ・リフレクターからヒートシンクまで、
LED一体型照明器具の中に使われている部品・機器の一通りの説明が終わりました。


と、言いたい所なんですが、じつはまだもう一つとても大事なものの説明が残っています。


それは電源装置(ドライバー)と呼ばれるものです。


電源装置

照明器具の設計、デザインによるのですが、
スポットライトだとこういう場所にある場合が多いです。



実際にはこういう機器です。

実際の電源装置



LED照明器具ですから、心臓部と言えば、当然LED(今回で言えばCoB LED)になるわけですが、

実は、電源装置と呼ばれる部品もLED本体と同じぐらい大事です。第二の心臓という感じでしょうか。



電源装置の役割は、100Vや200Vという高圧で受け取った電気を、

LEDが点灯するのに適した強さに調整するというものです。


照明器具がどのような明るさで光るか、調光は出来るかなど、様々な機能があるかないかは、
この電源装置の種類によって変わります。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加