【ひかりペディア】LEDの種類
赤色・緑色・青色 3LED 方式
このタイプのLEDは、3色のLEDを内蔵しており、光の三原色を利用して白色を作り出します。
LEDの構造イメージ図(3LED方式)
光の三原色を混ぜることで、一般的にはあらゆる色が再現できるといわれていますが、
実際に光の成分(分光分布)をつぶさに見ていくと、赤、緑、青以外の光が欠落しており、
発色(演色性)に難が出ます。
この方式で得られる分光分布のイメージは以下のようになります。
3LED方式の分光分布のイメージ
色えんぴつが長いところの色は見えやすく、短いところは発色が悪くなります。
基本的には、点線で描かれた色鉛筆の色は、その色の光が存在しないので発色しません。
三原色の混色によって、”人間の目には”疑似的に存在しない色えんぴつの色が見えるように感じますが、どうしても正しい色にはなりません。
また、3つのLEDを全く同じ明るさで光らせないと、途端に白色に見えなくなってしまうので、そういった品質管理の面でも難しさがあります。
しかし、3つの内蔵されたLEDの制御の仕方によって、一つのLEDで様々な色を再現できるところに大きなメリットがあります。
そのため、室内照明用ではなく、装飾・イルミネーション用途で良く使われている方式です。
青色LED + 黄色蛍光体 方式
このタイプのLEDは、ベースとなる青色のLEDと、青色と補色の関係である黄色蛍光体を利用し、白色を作り出します。
LEDの構造イメージ図(青色LED+黄色蛍光体方式)
補色関係にある、青色と黄色の光が目に入ることで、白く光っているように見える事を利用しています。
補色効果だけでなく、蛍光体によって黄色以外の色の光も放出されるため、ある程度光の成分が出そろいます。
この方式で得られる分光分布のイメージは以下のようになります。
青色LED+黄色蛍光体方式の分光分布のイメージ
色えんぴつが長いところの色は見えやすく、短いところは発色が悪くなります。
基本的には、点線で描かれた色鉛筆の色は、その色の光が存在しないので発色しません。
やはり発色と色の正確性(演色性)に難が出ますが、シンプルな素材構成でかつ発光効率が良いことから、量産性に優れ、LED照明が普及し始めたした時からポピュラーな方式です。
今でも廉価なLED電球ではこの方式を使う事が多くありますが、店舗照明などで使われる機会は減ってきています。
発色を問われない街路灯や屋外駐車場の照明、高出力を求められるサーチライトなど、実用性とコストを要求される場所でよく利用されています。
青色LED + 赤色・緑色蛍光体 方式
このタイプのLEDは、ベースとなる青色のLEDと、赤色と緑色の蛍光を利用し、白色を作り出します。
従来の青色+黄色蛍光体の発展形という位置づけです。
LEDの構造イメージ図(青色LED+2色蛍光体方式)
ベースとなるLEDの青色と、赤と緑の蛍光体によっての三原色の効果によって白色を作り出すとともに、
2色の蛍光体によって、赤と緑色以外の色の光も放出されるため、多くの光の成分が出そろいます。
この方式で得られる分光分布のイメージは以下のようになります。
青色LED+2色蛍光体方式の分光分布のイメージ
色えんぴつが長いところの色は見えやすく、短いところは発色が悪くなります。
基本的には、点線で描かれた色鉛筆の色は、その色の光が存在しないので発色しません。
しかし、この方式のLEDでは、紫色周辺の色の欠落はあるものの、それでもかなりの色数が得られ、また青色LED自体に発光効率が高めやすいというメリットがあります。
そのため、店舗照明や家庭用照明など、発色と色の正確性(演色性)のニーズがある場所で利用されています。
紫色LED + 赤色・緑色・青色蛍光体 方式
このタイプのLEDは、ベースとなる紫色のLEDと、赤色と緑色の青色の蛍光体を利用し、白色を作り出します。
LEDの構造イメージ図(紫色LED+3色蛍光体方式)
ベースとなるLEDの紫色と、赤と緑の青の蛍光体によって白色を作り出すとともに、
3色の蛍光体によって、赤と緑色以外の色の光も放出されるため、紫から赤色まですべての光の成分が出そろいます。
(人間の目にとっては、3つの色があれば白色に”見え”ます。しかし、太陽の光がそうであるようにすべての光の成分が混ざったできた白色光が一番正しく物の色が見える白色になります。)
この方式で得られる分光分布のイメージは以下のようになります。
紫色LED+3色蛍光体方式の分光分布のイメージ
色えんぴつが長いところの色は見えやすく、短いところは発色が悪くなります。
この方式のLEDでは、色の成分の多い少ないはあるものの、紫色から赤色まで目に見えるすべての光の成分が得られ、発色と色の正確性(演色性)が非常に高くできる特徴があります。
しかし、紫色LEDは製造が難しく青色LEDよりもコストが高くなりやすいため、特に発色と色の正確性(演色性)が問われる、高級な店舗(飲食・服飾)やアート・美術作品の展示などで利用されています。