【ひかりペディア】蛍光体
蛍光体とは
蛍光体とは、”ある色の光を受け止めて、別の色の光にして跳ね返す”様な物質です。
別の言い方をしますと、蛍光体は”受け止めた光の波長を変換してから跳ね返す”様な物質とも言えます。
こういう感じです。
光の波長を変えるイメージ
この仕組みを活かして、照明用のLEDは青色LEDから別の色を作り出し、疑似的な白色光を作り出しています。
青色の光から蛍光体が別の色を生み出す
なお、蛍光体から出てくる光は、一色ではないことが普通で、大抵はおまけで色々な色が出てきます。
蛍光体から出る色のイメージ
そういう訳で、照明用の青色LEDの分光分布は以下のようになるのが典型です。
青色+黄色蛍光体のLEDの分光分布
これまでの説明では、青色の光を受けて黄色の光をメイン出す様なイメージで蛍光体を説明しましたが、
蛍光体にもいろいろな種類があります。
黄色だけでなく、赤や緑や青など色々な光を出すものもあり、
照明用のLEDには色々な蛍光体が使われています。
照明の光(演色性)の良しあしは、実はLED自体よりも蛍光体の組み合わせによるところが大きく、
蛍光体の組み合わせのレシピは、LEDメーカーにとっては門外不出の機密情報です。
(なので詳しい事は知りません。笑)
見えない光を見える光に
おまけばなしです。
ブラックライトの下で、ワイシャツが光ったりします。
ブラックライトの下で、光る塗料もあります。
具体的な例としては、
ブラックライトで光るインクは、偽札防止のための技術として世界的に活用されています。
偽造紙幣防止の蛍光インク
あの現象がなぜ起きるかというと、
人には見えないブラックライトから出る紫外線(UV)の波長を、蛍光体が人間の目に見える波長にまで長くしているからです。
蛍光体が見えない波長を見える波長に変える
蛍光体、蛍光剤、蛍光塗料などと言うとちょっと物騒な感じがしますが、
実は自然の物質や食べてもよい物でも、この”蛍光”の性質を持っている場合があります。
(例えば、一部のビタミンの成分などは蛍光します。)
なので、ブラックライトで光るカクテル、なんてものもあったりします。
ブラックライトで光るカクテル(音がでます)
蝶ネクタイも良く光っています。